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2006.10.19 Thu

ミルクホール

朝8時に起床。
ここのところゆっくりゆっくり眠っていたので、今日くらい早く起きよう。

顔を洗って、フリマの準備とアメリカ展覧会の準備を夕方までやっていた。
毎日こんな調子で、準備に時間を費やし、作品を仕上げていく。
とうとう明日で作業も終盤に差し掛かる。

この頃ぱっとしなくって、夏がすぎてから、大切なものが逃げていって、
悲しみに漬かってしまっていたあたしは、自分で自分をキレイにしなくてはいけなかった。
心のお掃除は難しい、埃が次から次へと落ちてはたまる。

姑の一声で、やっと気づくわたしがいる。

大切なものも、大好きもどっか遠くの知らない場所に、走っていってしまったけど、
その分、残ったものは沢山あって、昨日もまた友達の優しい言葉に心がきゅーってなった。

表面は太陽でも、時たま目の奥がとっても冷え切った氷のようになっている私がいる。
その矛盾の中で、夕暮れ、いてもたってもいられず、二階へあがった。

大好きなクラムボンのCDと、長袖一枚、吉本ばななの小説2冊、お茶とおにぎり。
心のノートとぺんが一本。お財布には1万5千円。

どこにいっても良かった。どこまででも行きたかった。
電車に乗って。

頭の中央で、一番気になっている場所。
それはやっぱり鎌倉のミルクホール。

あの場所があたしを呼んでいた。

宇都宮か、真鶴あたりを考えていたけど、今は夕方5時。
ミルクホールはまだあたしを待っていてくれるだろうか。

迷った挙句、鎌倉で下車。
歩く度、ほんの少しだけの思い出を思い出しながら、ススム。あたしの足元。

線路沿いを1人で歩くのは初めて。
鎌倉の裏側は本当にひっそりとしていて誰もいない。

歌をうたいながら歩いた。きっと周りから見たら、あたしはきっとタダの頭の悪い子だろう。

ミルクホールの看板を見つけて、自然とにんまり笑う。
店内に入るのは今日が初めてだ。

ミルクホールとは鎌倉にある古い喫茶店。
その雰囲気といったらそれはもう魅力的で、
ずっとずっとここ2週間気になって仕方がなかった。


5メートル中に入ると、思った以上に広い店内に驚かされる。
そして置いてある家具もどれも年季が入っていて、どっしりとしている。

店内にはクラシックのBGM。心地良い音量加減。

メニューを開いて、オススメのハヤシライスを注文した。
何時間も煮込んで出た深いブラウン、ルーの甘みで心もあったまる。

だけど満腹感は悲しみをさらに増加させる。
そうだ、ココアを飲もう。

6時半に入店してから結局、1人で3時間もいた。

クラシックに耳を傾け、鞄からウォークマンをだして、音の世界に入り込む。
周りには誰もいない。
ここはわたしの嫌いなお堅い日本ではなかった、確実に。
そう、夢の世界であった。

さっきまでの心の靄が、水蒸気になってスッキリと消えていく。
ノートに記した、わたしのゴチャゴチャは、なかなか良い。

お家に帰って読み返せば、自分の心の内がリアルに伝わるだろう。

人は素晴らしいと思う、どんなに悲しくて辛いことがあっても、
すべて冗談でできている、この世の中、【笑】と言う一文字だけで仕上がれば
すべてうまくいくだろう。

ミルクホールがあれば、きっと元気になれる、そう思うほど、
あたしはここが好きになってしまった。

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