2013.11.20 Wed
かぐや姫とわたし
先日ジブリ美術館の方から試写会のお誘いをいただいて、来週から公開が始まる
最新作ジブリ映画「かぐや姫」を見に行った。
http://kaguyahime-monogatari.jp
公開間近の「かぐや姫」があまりにも素晴らしく、心を揺さぶられたので記録として残したいと思う。自分の言葉で。
映画を見に行った流れも書いておくことにする。
感想に入る前にわたしの近況をあわせて書いておきたい。
映画を見に行く前日、わたしはじいちゃんに会いにいった。
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わたしには90歳のじいちゃんがいる。
戦時中、出兵してどうにか生き抜いた人。わたしの世代からは想像もできない辛い時代を肌で感じてきた人である。
何か迷うことがあると 会いたくなる人。
すごい時代を生きた人の言葉は、いつもわたしの背中を押してくれるから。
久しぶりに会ったじいちゃんは、背骨がすっかりまがってなんだか小さくなってしまっていた。
たった数ヶ月で人はこんなにも老いてしまうのかとショックを受けた。
どこか寂しさを感じる背中だ。でもいつも笑顔で迎えてくれる。ありがたい。
今、わたしのばあちゃん、つまりじいさんの嫁さんは病院にはいっている。認知症がひどくなったためだ。
60年連れ添った人と、暮らすことが出来なくなってからじいちゃんはすっかり元気をなくしてしまい
生きる希望を昔ほどもっていないように感じる。
じいちゃんの内側から出ている寂しさを感じるようになったのは、ばあちゃんの調子が悪くなってからだ。
最愛の人と死ぬまで一緒にいれるかというと、残念ながらそうもいかない。
そのことに気づいたのはここ数年前だ。
「ばあさんは旅行が好きだった 日本中行っていない場所はないくらい。勝手に旅立ってしまうんだから、困ったものだよ」
そういいながら、じいちゃんは笑っている。でもどこか寂しそうに。
じいちゃんと話していると、わたしの心はいつもぐぐぐっと大きな動きをする。
人の人生は儚いものだ
いつもじいちゃんに会った帰り道は、生きていくことの意味合いを深く考える。
いつか終わりを迎える人生を、わたしはどう生きようか。
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翌日「かぐや姫」を見に行って、6度は涙を流し、終わったあと宙に浮いたような気持ちになった。
確実に、見る前のわたしと、見た後のわたしは内側に大きな変化があった。
外に出た瞬間。目の前の景色がキラキラと輝きを増してしまうほどに。
ちょっと大げさかもしれないが、この地に生まれた意味を教えてもらったように思う。
悩みや不安がどこかへ消えていった。魔法のように。
人を輝かせる、素晴らしい映画。今思い出しても泣ける。
人生に迷うときがきたら、きっと答えをもらえるはずだ。
またすぐにでも見たい。ああ、本当にほんとうに良い映画だった。
非常におすすめしたい、ジブリ至上一番泣いた映画になった。