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こんにちはー!先日書いたブログ、連載していくと言いながらいろいろと予定が重なり
なんと更新できない期間、最長2ヶ月が経過してしまいました・・!楽しみにしていたみなさんごめんなさい。

前回のブログ、"拝啓まるこ様"のつづきにあたる旅の話はこちらで書いておりますので
是非ご覧頂ければと思います。http://www.haconiwa-mag.com/monocoto/2013/06/vol2-1.php

今日は書くといって連載を続けられなかった理由を長々と書いても良いでしょうか。


まるこ1.jpg
なぜ、タイトルを「拝啓まるこ様」にしたのでしょう。
"まるこ"とは、わたしの大好きな愛犬の名前です。

8年前にわたしの家に連れ帰った子犬のまるこは保健所行きを免れ、無事にすくすくと育っていきました。

以前からブログに何度も登場したまるこは、我が家の問題児でとっても手のかかる子で
何度も叱ってきたけれど、可愛くて仕方のない大事な弟のような存在でした。

小さな頃からずーーーーーーーーーーーっと犬と暮らしてきたので、
悲しかったり、うれしかったり、どんな時も一緒に過ごしてくれる犬の存在はとても大きなものでした。

わたしの人生に犬がいなかったことなど、ほとんどありません。

まることの思い出をいろいろ書いてみます。

http://youtu.be/hakRVqpt50I ←まるこのアニメーションもあるんだよ。

子犬の頃から寂しがりやで、家族以外に懐かなかったまるこは我が家の問題児。
彼が成犬になった頃、家から脱走し、臆病な性格から近所の方噛んで、出動した警官にも噛み付き、捕まったまるこ。
大騒動になったこともありました。母は号泣し、父は「あんなやつは保健所行きだ〜!」とキレていました。
それでも尚、かわいがっていたことから家で暮らすことを許されたまるこ。
人を噛んだ原因は、彼の"盛り"の時期にあったようです。メス犬に会いたくて外へ出てストレス貯まっていたんでしょう。

かわいそうなことに、彼は去勢することになってしまい(人間は罪ですね・・)
ちょっとはおとなしくなったわけです。

まるこ2.jpg

時に父のゴルフボールを噛みくだき、跡形も無く食べてしまっていたり
母が大嫌いなねずみを捕まえてきて拒否されたり
嵐の夜に雷にびびりすぎておしっこ全部もらしたり

まることの思い出はどれも色濃く、今思えばおもしろすぎて笑ってしまうほどです。

前回のブログを読むと分かりますが、わたしが去年メキシコ留学を決め日本を発つ前に
まること離れて暮らすことを少々寂しく感じていました。

でも両親もいるし、きっと大丈夫だ〜などどのんきに考えていた訳です。

メキシコに到着して10日目、わたしが拳銃強盗に出くわし発砲されたことを書きましたが
命に別状は無く、あれから元気にメキシコライフを楽しみ、旅を続け、本当に良い思い出を沢山作って
今年の春に日本に帰ってきました。

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何一つ後悔がないと、今でも言い切れるけれど
とても悲しかったことがあります。ずっとここで書くことができなかったんだけれど

わたしの大好きなまるこは、わたしが拳銃強盗に遭った日にこの世を去っていたのです。
そのことを家族は内緒にしていて、わたしが日本に帰ってから教えてくれました。
この話を聞いたら、きっと日本に帰ってきていただろうから。心配させないように、と今まで黙っていてくれたわけです。

半年振りにようやく家族にも、まるこにも会える。

そのことをとっても楽しみにしていたわたしには
かなり辛く悲しい報告でした。


元気でいると思ったのに、まさか死んでしまっていたなんて。考えもしなかったのだから。
メキシコ滞在中、まるこのことを何度か思い出していました。母との電話でも「まるこは元気か?」と必ず聞いていたけれど
うまくごまかしてくれた優しい母さん。

まるこが死んだ理由は不明で、病気でもなんでもない。
その日は父が散歩に行ってから、仕事に出かけ、仕事から戻ってきた5時間後には倒れていたんだそう。
もしかしたら、わたしを守ってくれたのかもしれない。
日中の発砲事件に出くわした人は、命を落とす人ばかりだと言う中、わたしは運良く無傷で生きていて
どうして自分が生きているのかさえ、分からなかった。

大げさかもしれないがあの日から、命の尊さと生きているこの日が当たり前じゃなくて貴重な時間ということを
身を持って感じている。会いたい人には会っておくこと。目の前の時間を大事にすること。
一度死んだ気持ちで、毎日を充実させたいと今は思っている。

まるこは死んでしまった。誰かにとってはただの犬かもしれない。
でもわたしにとっては弟だった。辛い時に一番かまってくれたのは、まるこだった。
なんにも文句を言わず、しっぽをふって側にいてくれたのはまるこだった。
抱きしめても嫌な顔ひとつせず。良いやつだったなぁ、毛並みがよくて。わたしは君が可愛くてしかたなかったんだよ。
頭を撫でてやりたいなぁ。葬式には行けなかったから、今でも思い出すよ。
バカだったな〜、はしゃぎ方が尋常じゃなかった。
一緒に公園でひなたぼっこしたね〜。君は良いやつだったよ。本当に好きだったよ。

犬に服を着せたり、ベビーカーに乗せたりする気持ちは全く分からないけれど
だって、犬はそのままでいいんだから。毛繕いだってしたいし、自分で歩きたいんだからね。
散歩だって本当は自由に遊ばせてやりたかったよ。でももう一緒に歩けないね、まるちゃん。

こんなことをいくらかいても仕方ないのは重々承知している。
わたしは今日は君に御礼を伝えたいのである。

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もし、わたしを守ってくれて生かしてくれたのなら本当に本当に本当にありがとう。
感謝してもしきれないよ。わたしに時間をくれてありがとう。必死になって生きるよ。
いろんなことがあるよね、仕事がうまくいかないことも、いろいろ悩んだりすることもあるよ。

でも君がいつも抱えていた辛さとは比較できないよね。
まるこは、いつも外でわたしたちを待つしかできなかったんだから。
外でひとりで夜まで、ひとりぼっちにさせてごめんよ。メキシコで自由に歩き回っている犬を見て思ったんだ。
幸せな犬はどっちだろう。って。きっともっとみんなと一緒にいたかっただろうし、かまってほしかったよね。
君は、なんにもしなくてよかったんだよ。ただご飯食べて、一緒にいてくれるだけでみんな元気になったんだから。
たまにイライラすることもあったけどさ、7年間いっぱい思い出を作ってくれて本当にありがとうね。

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帰ってきて、君がいなくて寂しいけれど
わたしにまた君はプレゼントをくれたんだね〜。びっくりしたよ。

メキシコから帰った翌日、君がいない寂しさから早く実家を出て新しい場所で暮らそうと
見つけた大きな古民家は、敷地内に鳥居があってさ、お札も貼ってあるんだけど
それが、犬の神様なんだよ。まるちゃん、わたしは過剰にスピリチュアルをうたうのは全く好きになれないんだけど
目には見えない世界を信じていない訳じゃないんだ。


誰にでもあるんだよね、運をつかむことや
人のご縁というものが。それは人だけじゃなくて、君や自然や、
ご先祖さんや自分を取り巻く全てのものに日々感謝の気持ちをもつことが大切だって思うんだ。このご縁を決して無駄にはしないよ。

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この家を大事に大事に育てて、人の集まる楽しいあったかい家にするよ。
約束しようねぇ。わたし、頑張るからねぇ。

この場をお借りして、自分の決意と

まるこが死んでしまったことをみなさんに報告させていただきます。

お時間をいただき、ありがとうございました。

これからは元気もりもり、ブログ更新もさぼらず頑張っていきます。

家の名前は"東京おかっぱちゃんハウス"にしました。

これからイベントの企画やお教室を開催していきます。

わたし、これからもっと頑張ります!

そして、まるこ、今も楽しく暴れていますか。

またどこかで会えることを祈っています。

拝啓、マルコ様

Hola ! como estas ? 元気ですか?

カメラマンの品田裕美ちゃんから素敵な写真をもらったよ。

良い写真でしょう。メキシコで撮ってもらった写真だよ。


boojilmexico010.jpg

そう、日本に帰ってきたんだよ。

日本を離れ、半年が経った3月30日 わたしはようやく日本の土地を再び踏むことができました。


昨年の9月末、わたしは2年間絵の仕事一本で、一生懸命貯めたお金と画材道具、旅に必要なものをバックパックにつめて成田へ向かいました。

あなたとの別れは少しだけ寂しかったけれど、家族のもとでいつも通り、元気良く過ごしてくれる事を願っていたので
旅立ちに不安はありませんでした。


しかしながら、あの日はやってきてしまった。
メキシコに到着し10日目に、なんとわたしは拳銃強盗の被害に遭ってしまったの。


銀行帰り、お腹も空いたのでそのまま路面にあるタコス屋へ。
昼の13時、人通りの多い駅前の道にあるその店には平和な空気が流れていたはずなのに
席につき、5分も経たないうちに知らない男はわたしの脇に立っていた。
わたしの腰に拳銃をつきつけて。

男はわたしの持っていた鞄に手をかけ、力ずくで引っ張った。
肩掛けのそのバックはすぐに取り外す事が出来ず、わたしは男の力で席から引きずられるように立ち上がり
「どうしよう、どうしよう」と頭で考えながら、声をあげることもできないくらい恐怖で体中が震え、何も抵抗ができなかった。

その時、家族のこと、友達のこと、当然あなたのことも思い出したよ。
人は窮地に追いやられると走馬灯のように大切な人を思い出すのは本当だったんだね。


パーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!
その直後、焦った男は、持っていた拳銃を店内で発砲。乾いた音が店内に響き渡ったとき、
「あぁ、これは殺される。わたしは死ぬんだ。」と本気で思ったよ。

頭が真っ白になりつつも、わたしはなんとか持っていた鞄を男に渡す事が出来た。
すぐに男は走り出し、そこから逃げていった。

わたしが持っていた全てを盗んで、出て行ってしまった。
パスポートもカメラも、お金も、これから夢に見た留学生活への期待も全て。


悲しかった。ただただ、悲しかった。涙が溢れてきて、抑える事が出来なかった。
怖くて怖くて仕方がなかった。
わたしはまだスペイン語が話せなくて、一部始終をみたメキシコ人に自分の想いを伝えられず困惑するばかりだった。
まるちゃん、本当に怖かったんだよ。


でも、生きていた。怪我もなく、生きている。
身体は無事だった。殺さないでくれてよかった。

そのことがあってから、しばらくわたしは宿に引きこもり
あの拳銃の音を思い出しては涙を流していた。怖かったのだ。夢を持ってきたのに、ここに来たのは間違いだったのかと。
ひとりで、辛かった。

5年前、ひとり旅をして愛するようになったメキシコ。
原色を散りばめた太陽の光輝く、陽気な国。歩くだけで心が躍り、すっかり魅了されたもの。

でも、わたしは今悩んでいる。
これからどうしたらいい?怖くてひとりではどこにも行けなかった。
あんなにひとり旅が好きだったのに。この国は向いていないのかもしれない。
わたしに力をくれないのかもしれない。


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わたしの中で、2つの意見がぶつかった。
1、日本にすぐに帰ったほうがいい。家族はみんな心配している。安心できる場所に戻れ。
2、まだ何もしていない。そのまま突き進め。恐れるな、まだ生きている。

これで帰ったら、何も残らない。
メキシコを好きになってやってきたのに、嫌いになって帰るのか?
ここで諦めたら、もう二度とここにはやってこないだろう。

自分を奮い立たせ、新しいパスポートが出来た頃 勇気を振り絞ってわたしはバスのチケットを買った。
留学先のオアハカに身を移動させたんだ。


それからの日々は、一言では言い表せない程 色濃く、カラフルで

わたしの人生の中で一番と言っていい程、スペシャルで最高に刺激的な日々になったんだ。本当だよ。

つづく


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