2012.04.18 Wed
桜のある公園
先日、それはもう本当に気持ちの良い天気で、
愛犬 まるこを連れて近所の公園へ散歩へ出かけた。
わたしの家の近所には小学校の頃通っていた母校があり、一つ目の角を曲がれば無機質な公園がポツンとある。
だけど、わたしはその公園が好きだ。
心が弱っているときに、ベンチで日向ぼっこをさせてもらった。
何度も何度も助けてくれた、この公園に来ると心が安らぐ。
ここには大きな桜の木が一本だけ砂場の前に立っていて、その日は新芽を出し始めた枝から
桜の花びらがそよそよと風に乗って、空中をゆっくりと舞っていた。
何百もの花びらが一気に散る姿を見ていたら、あまりにも綺麗で思わず涙してしまった。
春は今年も日本にやってきた。そして、わたしのところにも。
何が起こっても、春はやってきてくれた。
桜の花をじっくりと一人で見つめてみると、風にふわふわと花を揺らすその様は 小学生の頃見た景色と全く変わっていない。
わたしは物心ついてから、かれこれ20年以上 この桜を見ている。当時は何の感情も抱いていなかったはずなのに
記憶にはきちんと、あの時見た桜がきちんとわたしの中で生きている。
先週わたしの婆ちゃんが入院した。
ここ数年で一気に老いてしまった、わたしの婆ちゃんは、わたしのことが分かるだろうか。
忘れられてしまうことは悲しいし、怖い。久しぶりに一歩を踏み出せない自分がいる。
何かと言い訳をして、婆ちゃんに会いにいっていない。だけど、わたしたちには今しかない。
今しか、あの細い、くちゃくちゃな手を握れない。
わたしは会いに行く。明日こそ、会いに行くんだ。
いつか手を握れなくなるその前に、婆ちゃんにいろいろ話したい。