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2006.07.01 Sat

五日目 ラオス ビエンチャン

朝、目を覚ますとタイ語の会話が聞こえてくる。
窓の隙間から、朝になったことを確かめた。

旅中のわたしは、かなり気合が入っている。
そのため、眠いなーと思い二度寝なんぞ、できなかった。
その時の時間は早朝6時。

反対側にある、洗面所で歯磨きをしていると、
オーストラリア人のでっかい兄さんに声をかけられる。
彼は話が好きなようだ。

自分の席に戻って、しばらく外の景色を見ていた。
雲がかかった、空のグレー。
涼しげな田園風景。たまに見える牛。

ラオスはどんな場所なんだろう。

そう思っているうちに、11時間の電車の旅は終わり、
ノーンカーイ(終点)に着いた。

ノーンカーイに着くと、怪しげな杖を持った爺さんに
声をかけられる。
【お前は日本人か?】無視してやった。

わたしはフランス人のアリアンと一緒に国境を越えるべく、
イミグレーションへ。

わたしが思っていたより、国境を越えるのは本当に容易い。
パスポートと、用紙に記入し、提出。

わたしはラオスのビザを、バンコクで取っていたので、
アリアンを待っていた。

アリアンを待つこと、15分?20分?
バスでラオスへ入る。(たった3分間)

バスから降りるとここはもう、ラオスだ。

ラオスよ、こんにちは。
市内までいくには、タクシーで1時間ほどかかるという。
タクシーに乗るなら、人数が沢山いたほうがいい。

すると、怪しい杖をついた爺さんが、また現れた。
今回は人の良さそうな日本人と、
どこの国の人か分からない人と一緒にいる。

話してみると、意外と面白い、その爺さんの名前はウルフ。
日本人の兄さんは、アキラ。
どこの国の人か分からなかった人は、ラオス人の歯医者さん。

5人で強引にタクシーに乗り込み。出発。
タクシーの中での会話はそれはもう最高に面白かった。
ウルフは大暴走。話が止まらない。

ラオス人の歯医者さんは、途中で下車。

その後20分ほど、で市内に到着した。
ここはラオスのビエンチャン(首都)である。


ウルフはラオスに何度も来たことがあるらしい。
町の中心にある、スカンディナビアンベーカリーに
連れて行ってくれた。

そこで初めて、ラオスのコーヒーを飲んだ。
このアイスコーヒーは最高においしかった。
わたしは最近コーヒーが好きで日本でも飲んでいたが、
あのコーヒーの味は忘れられない。

その後、両替所で100ドル(1万1500円)を
ラオスのキープに両替。すごい枚数帰ってきてしまった。 (10000キープ=1ドル)
●ラオスではバーツ、USドルが普通に使えますが、
わたしはキープ(ラオスのお金)を使っていました。(その方が得)


その後、宿を探そうと思っていた、この重い荷物をどうにかしたい。

ウルフは
【俺が知っている宿は最高だ!きみたちを案内しよう】
杖をつきながら、元気に歩く彼の歩調は生き生きしていた。

ウルフのオススメ宿は少々高かった。
部屋が狭い上に、トイレもシャワーも共同だという。
これで、7ドルは高い。(ダブルの部屋)

ウルフは15ドルのビップルームに泊まることにしたらしい。

わたしはアリアンと一緒に他の宿を探した。
そこからわずか3分程の場所に、ガイドブックに載っていた
宿を見つけたので、部屋を見せてもらった。

さっきの部屋より安く、広い。
シャワーとトイレは共同だった。
まぁ、いい。ここにしよう。

6ドルを二人で支払い、とりあえず荷物を置き、外へ出た。
初めてのラオスを堪能しよう。
市内を歩いてみることにした。

ビエンチャンを周るのは簡単だった、
道が縦と横に交差しているだけ。
方向音痴のわたしでも、行きたい場所にきちんと着けた。


アリアンと一緒に町を探索していると、このビエンチャンという首都は、本当に小さい町だと言う事に気づく。
徒歩で充分周れる距離だ。
タイとは異なり、とっても静かだ。人も少ない。
のどかで、みんなのんびりしている。


タイとラオスを隔てる、メコン川沿いで、バナナシェイクを飲んだ。彼女がおごってくれた。

メコン川沿いはさらにのんびりしている。

わたしはなんだか1人になりたくなった。
1人でラオスを見て、感じたかったからだ。

アリアンと一度宿に戻り、1人で外に出ると、
天気が良くなってきた。
わたしにはもう、不安というものは一つもなくなっていた。

ただ、知らない場所に、1人で来れたことが本当に
嬉しくて。今までの自分とは何かが違う気がしていた。

ビエンチャンの道路はコンクリートではない。
土が乾いた道路だ。
道路工事をしているラオス人が沢山いた。
舗装しようとしているのか、水道管を通しているのかは、分からないが、みんな暑い中一生懸命働いている。

ここで、また驚くことが一つ。
挨拶をしてくれるのは、子供だけじゃなかった。
ラオス人はわたしを見ると、【サバイディー(こんにちは)】
となんのためらいもなく、声をかけてくれるのだ。
しかも、とびきりの笑顔で。

もちろん、わたしから挨拶する場合がほとんどだったが、
みんなきちんと笑顔で挨拶をしてくれる。

途中、前方からきた、旅行者の男性に、声をかけた。
彼はアメリカ人だ。ロビンと言う。
【向こう側には何がありますか?】
【あっちもとくに、何もないけど、面白いよ】

ありがとう、と告げてさようならをすると、
わたしは町の中心の噴水まで来た。
子供が遊んでいる。
ラオス人の子供も本当に可愛い。

5分ほどまったりしていると、先ほど声をかけたロビンが来た。なんて小さい町なんだろう。すぐ再会するなんて。

ロビンはジャズのピアニストだった。
彼の優しい笑顔は、いいひとを物語っていた。

彼はわたしを夕飯に誘ってくれた。
明日ラオスの音楽祭らしかった。
一緒にいこうといってくれた。

そう、ほとんどの男性旅行者は一人旅なのだ。
みんな誰かと出会って、すぐ仲良くなれる。
1人旅は素晴らしい。

快く、OKし、夜7時にわたしの宿の前で会う約束をした。

帰ってから、アリアンにそのことを伝えると、
まるで母親のように心配してくれた。

わたしは数々の旅行者の失敗話を知っていた。
レイプ・睡眠薬・詐欺・殺人・麻薬などなど
いろんなケースがあり、どれもこれも恐ろしいものだ。

わたしは人に対し、少し信用しすぎな部分が確かにあった。
初対面でご飯を食べに行く。日本ではありえないことだが、
ここ外国ではそれが全てなのだ。
出会いは大切にしたい。その人を素敵なひとだと思えたら。

アリアンは言った、【部屋にはいっちゃだめよ。】
わたしもそのつもりだったし、彼にそんな気があるとは思っていなかった。

アリアンは、
睡眠薬を飲まされ、レイプされた知人がいるそうだ。

彼女の忠告は正しいものだ。
わたしに警戒心を持たせてくれた。

夜はウルフが、また強引に
【俺が知っている日本料理屋へ行こう!】と言った。

わたしは今回の旅で日本料理を食べないと決めていたのに!

彼の頭には、私たちが日本人だから喜ぶだろう。
という考えがあったのだ。


嫌だとは言えず、ビエンチャンでも一番高いと言われる
日本料理屋についてしまった。

金がないわけではないが、全ての食べ物がラオスの価格からすると、ものすごく高い。ラオス人にはなかなか食べれないものだろう。


そこで、大好きなトンカツ定食を食べた。
うますぎた。やっぱり日本食が一番だ。
なんと日本酒まで注文してしまった。

一緒にいたアキラさんは、ずっと従業員のラオス人に
【君はアヒル口でかわいいねぇ】と口説きっぱなしだった。
ラオス人の彼女は英語も日本語も分からない。。。


ウルフは3日後タイに戻る。
バンコクに戻ったら電話をくれと言ってくれ、
全部おごってくれた。みんなにはチップを置いてってやれ。
と言った。

なんてかっこいい爺さんなんだ。

その日は、ぬるいホットシャワーを浴びて、
大きなダブルベットでアリアンと一緒に寝た。

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