2013.12.10 Tue
おばあちゃん旅に出る
わたしがあわただしくしている頃
おばあちゃんが旅に出た 長い長い旅に出て わたしはいつまた会えるかしら
駅に向かい ホームで空を眺めていたら 雲の隙間からおばあちゃんがひょっこり顔を出した
ニコニコしていて いつものように元気だった
病院にいたときの おばあちゃんではなく いつも着ていた 渋い色の着物で
あきちゃん カニを食べなさい お正月だからいっぱいカニを茹でたからね
かつおぶしをけずって出汁をとると いい香りでしょう
おじいちゃんには内緒にしておくからね このことは二人だけのひみつだからね
7年も前のこと わたしが中学生だった頃のこと ちょっと前のこと いますぐにでも いつだって思い出せるよ
おばあちゃんをだっこして トイレにいったことも うれしかったよ 今思えば
ちょっとでもお手伝いができたのか 分からないけれど
たいへんだ たいへんだ なんて いまは思っていないよ
おじいちゃんはきっと一番さみしいと思うけど わたしたちがいるから だいじょうぶ
今日は最後の夜だね
おばあちゃん ほんとうにありがとう