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2006.07.10 Mon

14日目 ファイサーイ ガタガタバスの旅

8時起床。顔を洗いシャワーを浴びて、荷物をまとめてチェックアウト。
朝食は食べずに水で済ませた。

9時、予定通り昨夜会ったイスラエル人と一緒にバスターミナルへ。
このときのドキドキといったら、まだ覚えている。
このドキドキは、わくわくではなく、そわそわだった。

バスはあるのか、ないのか。
アンディの言葉が頭をよぎった。
【君はずっとルアンナムターで待ちぼうけだよ】
あー!どうしよう、バスがなかったら。

そう思いながら歩くこと10分。バスターミナル到着。
切符売り場の店員に、尋ねる。
【バスはあるか?ファイサーイへ行きたいんだけど】

なんと!バスはあるという!やったー!なんて運がいいんだ!わたしは。
バスに乗り込み出発を待つ。

9時半出発予定のバスは10時半に出発。
その間、ラオス人が工事で使うような資材をバスに詰め込む。
わたしの荷物はぺちゃんこになった。

バスの中には、わたしとイスラエル人の彼とで外国人旅行客は2人。
あとはみんなラオス人だった。

この時点で、わたしはバスが出発するという事実に安心しきっていたが、
この後の恐怖に全く気づいていなかった。


バスは走る、信号の全くない道をスピードをつけて。
喉かな田園風景も終わり、山道に突入。

走ること30分後、バスが止まった!何事?
乗客がおりて、何か話し始めた。
バスの中にいたラオス人の一人は英語をほんの少し話せるようで話してみると、

【到着予定は明日の午前9時だね。】と言う。
はい?どういうことかしら?このバスは9時間走ればファイサーイに行けるんじゃないの!?

彼の話では、雨季で道が崩れて、バスが走りにくいという。
これにはさすがのわたしもビックリ。
さっきまではコンクリートの道路が、たった30分走ると泥濘の道。

始まってしまった、過酷なバスの旅。


ここから先、わたしは何度も心臓がバクバクした。
というか、安心しきれず眠ることもできなかった。
タイヤが泥濘にはまり、ヘタしたらバスは倒れそうだ。


こんなひどい道は見たことがない。というか、道ではない!
山を強引に切りひらいた場所だ。
こんなところをオンボロのローカルバスが通るだなんて!


何度死ぬかと思っただろう、何度お守りを握って祈っただろう。
こんなに怖い思いをしたのは生まれて初めてだった。
家族や友人、大好きな人が頭に浮かんだ。

だけど、それがラオス人には当たり前のようで、わたしが何度もビックリすると、
みんなケラケラ笑うのだった。中には鼻歌を歌いまくるラオス人もいた。

みんなすごいなー。ただそれだけだった。

走ること3時間余り、バスはそれまで何度も止まっては人が降りての繰り返し。
ただ、今回ばかりは急な坂道。全員降りても上れそうにない。

結局自力で登れないので、ブルドーザーでヨイショ。
待ちぼうけの間、トイレがないので、草むらで用を済まそうと、ジャングルに足を踏み入れた。
あぁ、なんてこと。ジャングルって怖い。入った瞬間トゲのある植物にやられた。
膝をスパッと切ってしまい、血が流れる流れる。

それを見たラオス人の兄ちゃんが、落ちてたハッパをこねだして、わたしの膝へ擦り込む。
血止めだった。すごい、人間の知識と、自然の力。

バスは出発、ハラハラドキドキを乗せて。
山岳民族の村が走る間何度も見えた。みんな手を振る。最高。


途中、お昼休憩、村の小さなお店でご飯を食べることに。
あたしが一人アタフタしていると、英語の話せるラオス人が一緒に食べるか?
と誘ってくれた。わたしの大好きなカオニャオ(もち米)と素揚げした、豚肉など。
辛いタレにつけて一緒に食べる。

これがおいしいこと、おいしいこと!

そこで初めてヴァッファローの肉を食べた。まるでビーフジャーキー。
たらふくご馳走になったのに、タダ。人ってあったかいなぁ。とシミジミ思った。

恐怖のバスの旅はかれこれ12時間続き、何度も死ぬかと思ったが、
無事ファイサーイに到着。結局その日に到着することが出来た。
なにやら英語の話せる彼のミスで、9pmを9amと間違えていってしまったらしい。
後から謝られた。まだ英語を勉強してから1ヶ月だったらしい。

12時間もバスに乗ったのに、65000キープってどういうこと?(650円)
やっぱり物価が安すぎる。

その後、プラス5000キープ(50円)を払い、市内までバスで移動。
もう22時半をまわっていた。
タイへの国境に一番近くて評判のBAPゲストハウスに泊まることにした。
部屋はシャワー・トイレ共同で、汚かったけど、仕方ない。4ドルはちょっと高い気がした。


この日の日記は面白かった、ひたすら死ぬかも!と記されている。
ラオスでこういった恐怖体験が出来てよかったと思う。
日本では決して味わえないと思うから。


ゲストハウスのばーさん、3姉妹と誰が一番可愛いかなどを話して、
その日は早く眠った。明日はいよいよタイへ戻る日だ。

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